送電圧が100Vでは無いワケ

家庭で使っている電気は上図のような大掛かりな設備を通って届いています。しかし、図のオートキャンプでは、発電した100Vを直に使っています。
絵の銀座のアーク灯はそばに置いた直流210Vの発電機で直に点灯しました。
当初電気は直流だったのです。

オートキャンプ .jpg

(出典:ホンダカタログ)

アーク灯.jpg

(明治15年 銀座アーク灯 出典:大成建設)

電気は電線の中を流れるときに抵抗で熱に代わり、その量は電流の量に比例します。
100V・1000Aの電気(100KVA)を、太さ2cmの電線で1,000m先へ送電すると、途中で全部熱となり、届く電気は0V。
同じ量を1万Vで送ると99V。10万Vなら99.9Vです。

電圧が100倍(1万V)なら損失は1万分の1。1,000倍(10万V)なら100万分の1の損失で済みます。

そのため、送電ロスを出来るだけ少なくするために超高圧で送電し、街中を6600Vで配電、家の前の柱上変圧器で100Vに下げているのです。
変圧器は交流でしか動作しないので、結果として超高圧の交流送電となるため、図のように何度も変圧しながら交流100Vで家に届きます。

発電所から家まで.gif

(出典:電気事業連合会)

直流と交流の実効値.png

面積②→①、③→④へ移動すると平均高さは100V(実効値)となります。

変圧比の原理.png

  • 同じ耐圧の電線を使った場合、直流は連続して141Vで送電できるので交流の√2倍も送電できます。
    よって電気の始まりは直流送電でした。
  • 電燈が普及し始めた1880年代、発明王エジソンの直流配電と、交流配電の二コラ・テスラ陣営の争いは、変圧器の出現により電圧の安定したテスラ側の圧倒的勝利で決着がつきました。
  • 直流送電の効率の良さと超高圧整流子(光サイリスタ)の実用化により、本州と北海道、九州、四国間では海底ケーブルを使い、直流25万Vで電気を送っています。
  • 関東の50Hzと関西の60Hzの電力融通は50Hz ⇔ 直流 ⇔ 60Hzと変換しています。
    中間の送電線は直流の方が効率が良いので、東電新信濃と中電飛騨変換所間は2020年より直流送電を開始する予定です。
  • 中国では2009年から交流110万Vや直流80万Vの送電の試験運用が行われています。
    中国は国土が広いため送電線も長くなるので、ロスを少なくするための超超高圧送電の研究では世界一の先進国ですが、日本の技術も使われています。

電気が家に届くまで