発電機・モーターの歴史
時代背景
18世紀後半~19世紀の産業革命の時代、綿織物の技術革新や製鉄業の成長を促したのは蒸気機関による動力源の刷新(1769年ワットの蒸気機関発明)でした。これにより綿織物の技術革新、製鉄業の成長を促すと共に、蒸気船や鉄道の交通革命ももたらしました。
1800年代に入ると、ボルタの電池が発明されるなど電磁気研究が発展。1831年、「ファラデーの電磁誘導の法則」を基に、マクスウェルらがさらに理論を発展させて、発電機や電動機発明の基礎を作ります。
(出典:パワーアカデミー)
- 内燃機関のオットーサイクルの発明は1877年、液体燃料の使用は1884年で、電動機よりも後となります
- ペルーの黒船来航は1853年、江戸時代嘉永6年。因みに明治元年は1868年
年表
- 1821年
-
マイケル・ファラデー(イギリス)
モーターと発電機の原理を発見しましたが、本人は気付いていません。(出典:四国電力 キッズミュージアム)
- 1827年
- イェドリク・アーニョシュ(ハンガリー)
ローターがくるくる回る装置製作。発電機の概念も確立したが、自分が最初とは思っていませんでした。 - 1831年
-
マイケル・ファラデー(イギリス)
電磁誘導の法則を発見単極発電機
(出典:Wikipedia) - 1832年
-
ヒポライト・ピクシー(フランス)
最初の交流発電機を作った。
図の発電機は下のハンドルを回すと上のコイルが回転し、磁力によって電気が発生する仕組み。ピクシーの手回し発電機
(出典:Wikipedia) - 1834年
- トーマス・ダウェンポート(アメリカ)
実用直流モーターを製作 (注.世界で最初に作ったのはアメリカのCharles Grafton Page かフレミングか様々な説があります。) - 1866年
- ヴェルナー・フォン・ジーメンス(ドイツ)自励式自動発電機を発明(史上初ではない)
現在の大企業シーメンス(ドイツ)につながります。 - 1873年
- ゼノブ・グラム(ベルギー)
実用発電機を作った(逆に回してモーターになることも解った)
1873年のウィーン万博において最新式の発電機が出品され、ケーブルの接続を間違えて別の休止中の発電機に接続・送電したところ、止まっていた発電機が回り出して電動機(モーター)になることを発見します。 - 1888年
-
ニコラ・テスラ(アメリカ)
交流モーターを発明。電気自動車メーカーのテスラ社(アメリカ)の社名もこれから取った。(出典:Tesla Japan)
その他
電磁石エンジン
ペイジのモデルは、電磁石による鉄片の揺れのピストン運動を蒸気機関車のピストンと動輪のように回転運動に変える機構で、エンジンも動輪の代わりに発電機を回す方法で発電機を作っています。
(出典:TDK Techno Magazine)
当時の特許法との関係
産業革命の時代、新しい方法を考えると特許により莫大な利益を独占できるため、同時に何人もの研究者が先を争っていました。エンジンもベルも理論の発明者ではなく、実用化の発明者です。
アルフレッド・ノーベル
爆薬の発明(ノーベル賞)
(出典:Wikipedia)
トーマス・エジソン
電球の実用化(現ゼネラル・エレクトリック)
(出典:Wikipedia)
グラハム・ベル
電話を実用化(現AT&T)
(出典:Wikipedia)